白糸刺しゅう

白糸刺繍、作品展を開催しました

パントン久美子

2023年7月20〜22日まで、東京の代官山ヒルサイドテラスにて、作品展を開催しました。

私の他、私の講座の受講者の方20名と私の刺しゅう仲間や友人の作品も展示をした合同展です。

へデボ、レティチェロ、ドロンワーク、ハーダンガー、カットワーク、プルスレ(アジュール刺しゅう)など、さまざまな白糸刺しゅうの技法が集まり、とっても素敵な作品展になりました。

はじめての開催で右も左もわからず、とにかく誰にも迷惑をかけないで終われれば御の字と思っていたのですが、ギリギリ梅雨明け前で暑かったけれどそこまでの猛暑でもなく、たくさんの方にご来場いただき大盛況で終了することができました。

3日間で450名以上の方にご来場いただき、近隣のカフェの方にも「お陰様でうちのカフェもとっても賑わいました」とお礼を言われてしまいましたw オープン前から並んでいただいたり、ほんとにこんなにたくさんの人に来ていただけると思っていなかったので、とにかく嬉しいビックリでした。

作品展のためだけに北海道や九州から飛行機に乗って来てくださった方もたくさんいらして、お手紙やお土産もたっくさん頂戴してしまいました。各地の名産品がそろって、まるで日本中を旅行したかのように、全国の有名なお菓子がそろいました。

また外国人の方も数名いらして、海外暮らしで大変な中、私の白糸刺繍の講座に救われたとつたない日本語で話してくださる方もいたり、3日間で何度も涙が込み上げるシチュエーションがありました。

動画講座なので、直接、受講者の人とお話ししたりする機会もなく、そもそも海外に住んでいて日本とは物理的にも距離があるので、講座を作ってもなんだか1人相撲をとっているような気がしていたのですが、リアルにお話しできたり「ありがとう」って言っていただけたりすると、心底動画講座を作って良かったし、作品展もやって良かったな〜って大変だったことが報われたような気持ちになりました。

終始ご来場様で賑わっていました〜

私のエモい話はさておき。

刺しゅうとか手作りってなんとなく貧乏くさいようなイメージがあると思うんです。そういうイメージは払拭したいと常に思っていて、ご案内状だったり、会場のスタイリングだったり、誰かの目の触れるもののビジュアルは絶対に手抜きはしたくなくて、力を入れました!

スタイリングは本や雑誌で活躍されている曲田侑子さんにお願いをし、ご案内状やポスターなどもデザイナーさんに依頼したこともあり、かなり完成度の高い展覧会になったなと思います。

会場の中の様子です。

スタイリストさんが私の作品はすべて額の中に入れてくれたんです。すべて違う額で素敵でしょう?

中の黒いボードは、設営の日に頑張ってカットしました。たしか2ミリのカルトンだったと思います。額の中に刺しゅうを入れるってすごく素敵です。

小物や家具は曲田さんが業者さんからレンタルしてくださり、軽トラック3台分の荷物が搬入されました。それを開梱して設営し、また数日後は梱包して返却。壁も使ったので、脚立にのぼってピクチャーレールに額をつるしたりと、かなりアクロバティックな動きも必要でした。運動音痴の私は何度ヒヤッとするシーンがありました😅

スタイリストさんの仕事を間近で見れて、すごく勉強になりましたよ〜。といっても、全然実生活には活かせないのですが、スタイリングってこんなふうにやるんだと終始感動していました。

サイズがインスタサイズなのですが、動画も作っていただきましたので、ご興味ある方はご覧くださいませ。

来年も作品展を開催するつもりでいます。私の有料講座の受講者の方は無料で作品展に出展いただけます。私がご案内をお送りする時点で、私の有料講座を受講している方にはメールでご案内をお送りします〜。

来年は、私もワークショップをしようと計画しているのと、期間を1日長くしようかなとも思っています。今年は予想の3倍以上の方にご来場いただいたので、用意していた物販のお品もすぐに完売してしまいましたが、来年は十分な数をご用意する予定です。

デンマークから持ち込んだアンティークのベルプルなども瞬殺だったので、今からかわいい手芸のアンティーク品や日本で買えないようなものを集めていこうかな!

私はエキシビジョンなどに行く時は展示品を見るのも楽しいけど、お買いものも楽しくて大好きなので、ご来場される方が楽しめるような企画をいろいろ練っていきます🎵

作品展ですごく嬉しいことがありました。私のリアルな友人は刺しゅうに興味がある人が少ないので特に声をかけていなかったのですが、デンマークのスカルスに留学していたときの仲間が2人来てくれました。

スカルスでは、エキシビジョンに向けて作品を作るのですが、毎晩一緒に徹夜をしてヘロヘロになりながら刺しゅうをしていた仲間。寮生活なので、文字通り、寝食を共にした仲間です。

私の代で今でも刺しゅうをしているのは私だけなのですが、「12年前より断然ステッチがきれだよ〜」って褒めてもらえて嬉しかったです。

あと、私が手芸に目覚めたきっかけでもある編み物の先生も来場くださり、13年ぶりに会うことが叶いました。作品展が終わってから、当時の編み物メンバーと先生のご自宅に遊びに行ってお茶会をして思い出話を楽しみました。超個人的な話ですが、こんな素敵な再会もあってすごく嬉しかった〜。

若い方も来てくださりました。最初はお母様に付き合ってきたのかなと思っていたら、なんとお母様が娘さんに連れられて来場していました。10代の若い方でも白糸を知っていて、刺したいと思ってくださる方がいて、すごく嬉しかったです。

そもそも私のミッションは、白糸刺しゅうをたくさんの方に知ってもらい、楽しんでもらうことなのですが、やはり年齢層が高いのが現実。

伝統的なものなので、後継者がいないとこの素晴らしい技術も消えてしまいます。なので、私より若い人たちにも気軽に白糸を楽しんでもらい、その中から白糸を後世に継承していける人が出て来たらいいなと思うし、そのお手伝いもしたいと思っています。

作品展では5名くらいの10代&20代の方に来ていただけたので、来年はもう少し若い方にも来ていただけるような工夫をしたいです。

準備から滞りなく作品展を終えるまでヒヤヒヤしたことも多かったのですが、やってよかった〜と心から思います。楽しかった!!年を重ねるとなかなかみんなで集まって1つのゴールに向かって頑張るみたいな状況がないのですが、ワイワイして楽しかったです。

ご来場くださった皆様も作品展に出展くださった皆様も、ありがとうございました。

ABOUT ME
パントン久美子
パントン久美子
デンマーク在住 白糸刺繍家
2009年スカルス手工芸学校に留学しヘデボを学ぶ。2012年〜2017年まではパリ在住。ルサージュやフランスの白糸刺繍教室で刺繍を学ぶ。2024年7月文化出版局より「whitework ヨーロッパの白糸刺繍技法より」を出版。現在はコペンハーゲン在住。
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