刺繍のお道具　刺しゅう家の私がお勧めする刺しゅう針

針もいろいろありますよね。

私、実はそこまでお道具にこだわりはなくて、大手のメーカーさんが出しているベーシックなアイテムであれば十分じゃん！って思っている節もあります。

他方、刺しゅうを美しく仕上げるには、刺しゅうの腕ももちろん大事だけど、お道具と材料も大きく影響するんですよね。なので、100円ショップの刺しゅう道具とかは絶対に使わないです。100円ショップでもいいからできるだけ安くお道具と材料をそろえたいと思っている方は、たぶん私のブログも動画講座も方向性が大きく違うと思われますので、違うサイトを参考にしたほうがいいかも…です。

ということで今日は針について記事を書きます。

みすや針が最高だった（最初から結論）

私の販売している動画講座にはキットをつけているのですが、キットを組む時に一番大事なのって入手のしやすさなんですよね。何百個という大きなロットで購入するので、いつも在庫があるものとなるとクロバーなんです。私の住んでいるデンマークだと、やはりDMCがメジャーです。クロバーより安いし。

いつでもどこでも入手がしやすいのはクロバーでしょう。

私が個人的に使うのはみすや針、一択です。何を隠そう、みすや針の存在は長らく知っていたものの、使い始めたのは今年の夏からです🤣もっと早くから使えばよかった、って激しく後悔するくらい刺しやすかった！！

なので、みすや針を使いましょう。ほんとに。すごい刺しやすいから。

作品展で「絶対に刺しやすいから」ってある来場者の人に勧められて、その日にネットショップで買ったんです。勧めてくださった方は、私よりずっと先輩の刺しゅうの先生で、この人が言うならって軽い気持ちで買ったのですが、使ってビックリしたよね。

布に針がすーっと刺さるというか、針通しがめちゃくちゃいいんです。ピンポイントでその小さな点に刺せるって言えばいいでしょうか。（伝わらないですねw）

日本の職人技術ってすごいな〜って心から感動しました。

クロスステッチ針は、寸1（2本取り用）と寸2（3~4本取り用）があれば良いです。刺しゅう針はNo.6とNo.7があればいいです。

いろんな太さが入った刺しゅう針のお試しセットもあります。

みすや針の針ってすごい強いんです。ドロンワークをするときに針を使って、布から糸を抜くとDMCの針はすぐに曲がってしまうのですが、みすや針はびくともしません。

ここにみすや針の特徴が書いてあるので、気になる方は読んでみてくださいね。

刺しゅう針の選び方

針を選ぶときに私が大事だなと思うのは、針穴の形です。

メーカーによって針穴の形が違うのですが、私はDMCの針穴は通しにくいなと感じます。すごい縦長なの。

みすや針もクロバーもあまり縦長すぎないので、糸を通しやすいに、針穴に糸がこすれて摩擦を起こす感じもなくちょうどよい形&大きさです。

左から、みすや針、DMC、クロバーです。写真に入れ忘れちゃったんだけど、チューリップもわりと縦長でした。

みすや針とクロバーは針穴の形が似てますよね。アブローダーとか１本で太い糸って指でぎゅーってやってもペタンコにならないので、縦長の針穴に通すのが難しいし、通したあとも摩擦で摩耗するような感じがします。

絶対やっちゃダメな糸の通し方

糸をなめてから、針穴に通す人いますよね。これ、絶対ダメです。不潔というのもそうだけど、刺繍糸を唾液で濡らしちゃったら繊維がつぶれちゃいますから。なんて言うのかな、紐みたいになっちゃう？ので、絶対になめないでください。水をつけないでください。

もしどうしても舐めなきゃ入らないって人は、その部分はカットしてもいいかも。

私は刺しゅう糸の先を２つに折って、親指と人差し指で親の仇ってくらいの力で糸をつぶして、針に糸を入れるというより、糸に針を入れるみたいな感じでやってます。伝わってますかね？

このやり方だとだいたい一発で入るのでこのやり方がお勧めです。

おまけ

ピンクッションを作る時、中に入れる綿はウールにしてくださいね。化学繊維だと針が錆びます。

あと、お子さんがいる方へのtipsになりますが、針は１本しか出さないほうがいいです。１本しか出さないとなくなったとき（落としたとき）にすぐに気がつけるので。これは私の動画講座の受講者の方に聞いて、すごくよい方法だなと思いました。

私は恥ずかしながら、子供がいても常に針は２０本くらい針山に出していて、自室の掃除機をかけるとき、ほぼ確実に１本は掃除機で吸っている様な音がします😱小さなお子さんがいる方で針仕事をされる方は、１本しか出さないのが安全です。

たかが針。されど針で、刺しやすい針だと仕事が捗ります。手の癖も関係すると思うので、いろんな針を使ってみたい方はクロバー、みすや針、DMC、チューリップ、ジョンジェームズ、BOHINなどメジャーなメーカーのものを試してみてくださいね。

試すのが面倒な方は、みすや針一択です👍

パントン久美子

デンマーク在住 白糸刺繍家

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2009年スカルス手工芸学校に留学しヘデボを学ぶ。2012年〜2017年まではパリ在住。ルサージュやフランスの白糸刺繍教室で刺繍を学ぶ。2024年7月文化出版局より「whitework ヨーロッパの白糸刺繍技法より」を出版。現在はコペンハーゲン在住。