白糸刺しゅう

へデボの企画展を見てきました

パントン久美子

コペンハーゲンから20キロの場所にあるGreve美術館で10月までへデボの企画展が開催されています。週末に見に行ってきました。

Greve美術館はHedeboのピースをたくさん持っている美術館なのですが、立地が不便で周りになにもなく、バスは1時間に1本しか来ない辺鄙な場所にあります。今までに3回訪れましたが、いつもほぼ貸切状態です。。

コペンハーゲンからだと中央駅から15分くらい特急電車に乗って、駅からバス、バス停から5分くらいの場所に美術館はあります。初めて行く方は不安になるくらい何もない場所にぽつんと美術館があります。

コペンハーゲンの中央駅は、すごく雰囲気が素敵。ドイツやスウェーデンにも電車で行けるので発着の表示を見るとワクワクします。グレーべ美術館は、デンマークらしい黄色い建物。グリーンの窓が素敵です。

へデボの企画展は本館の2階。へデボのルーデシュニングという技法を表しているようなロゴがすごく可愛かったです。手袋が置いてあって、実際に作品(クッション)に触れるコーナーがありました。

裏までじっくり見させていただきました。どのくらい古いものかわからないけれど、リネンの目が意外とつまっていて、糸も細くて、見れば見るほど繊細な刺繍ということがわかります。

ウズクリプスへデボ(カットワーク)の技法のクッションはこれでもか!というほど色んな模様が入っていてすごく楽しそうな作品。作った方も陽キャな感じなのかなとか思いながら見ていました。

ため息がでるくらいすべてが美しかったです。

ここに展示してあるもの、ほとんどが常設で見れるものなのですが、ガラスケースに入っているのと、常設展の場所はすごく暗いので針目がよく見えないのですが、今回のこの企画展は比較的明るかったので細部まで見れました。

布や糸のニュアンス、針穴の大きさ、刺繍の裏面など。いつもは見れない部分も見れてすごく勉強になりました。

この展示、すごく素敵ですよね↑。こんなふうに吊るすとか、斬新だし、影にもへデボの模様が写るように計算されて展示されているのか、影さえもかわいくて終始ニマニマしちゃいました。

長細いものが多いのは、お部屋の中を明るくするために家具にこのような白い布をかけて生活をしていたので、壁掛けのような作品が多くなっています。

これは私が一番すきなへデボの作品でいつか作りたいと思って図案は起こして、布も切ってあるんです!かなりの大作なのでいつか始めるのかは謎ですが、いつかは作ってみたいと思っています。

夫と息子も同伴だったので、展示を見てカフェでランチをしました。何種類かメニューはありますが、ほぼ冷凍品です。人がこないから仕方ないですよね。でもケーキはここで焼いてるみたいで私たちが行った日に食べたドライフルーツのタルトは素朴な味ですごく美味しかったです。

帰りはバスを1本逃してしまい、1時間待ちました。電車も20分待った…もうすこし便利ば場所にあれば頻繁に行けるんだけどな。でも行く価値はありますので、もしコペンハーゲンにご旅行にくる方がいたらぜひ行ってみてくださいね。

こちらにリールのリンクも貼ります。よかったら見てくださいね〜。

ABOUT ME
パントン久美子
パントン久美子
デンマーク在住 白糸刺繍家
2009年スカルス手工芸学校に留学しヘデボを学ぶ。2012年〜2017年まではパリ在住。ルサージュやフランスの白糸刺繍教室で刺繍を学ぶ。2024年7月文化出版局より「whitework ヨーロッパの白糸刺繍技法より」を出版。現在はコペンハーゲン在住。
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