白糸刺しゅう

白糸刺しゅうの本 プント・アンティコの本

パントン久美子

プント・アンティコというイタリア刺しゅうの本をご紹介。

じゃじゃん。

いがらし邦子先生の「イタリアの伝統刺繍 プント・アンティコ」です。

図案は別冊でついています。中も雰囲気が素敵でシックなデザインが多く、大人な印象。フランス刺しゅうではここまでエレガントな作品は作れないと思うので、白糸刺しゅうの良さが全面に出ています。

作品は、クロスが多い印象です。あとは、マスクとかサシェとか。複雑なものは一切なくて、すべて手縫いでちゃちゃっとできそうなものが多かったです。

私はお仕立てが得意ではないので、このくらいの作品だとハードルが下がって作ってみようといみ気持ちになるかも♡ということで、おすすめの1冊です。

図案が別についています。テーブルに広げたり、何度も折ったりでちょっと不便なんだけど、A4サイズより図案が大きいので見やすいというメリットはありますね!

技法もそこまで難しくないです。やっぱりレティチェロとかヘデボのバルデュアリングとか、布から糸を抜いたり切ったりしてレースみたいな模様を作る技法の方が難易度は高いので、プント・アンティコに出てくるカットワークはそこまで難しくはないと個人的には思います。

プント・アンティコとかイタリアの白糸って色のついた布を使うんですよね。ハーダンガーもカラフルですよね。この本もグラツィアーノ(イタリアの布メーカー)のいろんな色の布を使っていて、見ていて楽しかったです!

白糸刺しゅうの仕立てについて

この本の作品の多くがクロス、サシェ、ピロー系で、思ったことがありました。

白糸系の刺しゅうは、お仕立てのバリエーションがあまりない!ってこと。

クロスとか平面的なものじゃないと刺しゅうが生きないので、どうしてもクロスとか巾着とかサシェとかになってしまうんですよね。

あとやっぱり私が思うのは、白糸刺しゅうがヨーロッパで刺されたいた時代の生活で使っていたものじゃないとあまりマッチしないからかと。となると、食事周りのクロスとかカーテンとか、壁掛けや巾着などのシンプルなバッグ、つけ襟などになってしまうのです。

白糸刺しゅうの雰囲気にプラスチックって合わないし、ジップのポーチなども微妙だと思うし(私は)、上述したとおり、刺しゅうが平面的な部分についてないと刺しゅう自体が生きないので、お仕立てにはいつも悩みます。

もちろん、刺しゅうは自由なので現代版にアレンジをして楽しむのもありです!私はあまり相続力が働かない上に変なところがコンサバなので、現代風のアレンジが下手なだけです😅

ヨーロッパに住んでいると、何に使うかよくわからない謎の大きな布をよく見ます。テーブルクロスとか家具にかけるようなクロスとかだと思うのですが。パリの義母の家にも、大判の用途不明のリネンがたくさんあります。

刺しゅう入りのリネンを使えるような人は貴族とかお金持ちだった人が多いから、テーブルクロスにしてもすごい大きいんですよね。うちなんて3人家族なのでテーブルも4人掛けだし、大きなクロスを使うような生活もしていないので、本当に用途不明。。

コレクションとしてただ持っていて、たまに出して愛でてるだけなのですが、蚤の市などでみかけるとつい買ってしまいます。蚤の市などで、お仕立てに使えるインスピレーションがもらえるといいな。

お仕立てがいつも同じようなものになってしまう問題はありますが、刺しゅうその物が楽しいので、お仕立て問題は横に置いて今日も白糸刺しゅうを楽しもうと思います!

これはいつかのヘデボです。
ABOUT ME
パントン久美子
パントン久美子
デンマーク在住 白糸刺繍家
2009年スカルス手工芸学校に留学しヘデボを学ぶ。2012年〜2017年まではパリ在住。ルサージュやフランスの白糸刺繍教室で刺繍を学ぶ。2024年7月文化出版局より「whitework ヨーロッパの白糸刺繍技法より」を出版。現在はコペンハーゲン在住。
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